言語障害(失語症など)者とのコミュニケーションを円滑にするために

以下ご覧ください。

 

・表情がわかるよう、顔を見ながら話してください。
下を向いたままではいけません。表情から読み取れる情報は大切です。相手の話を聞こうとする態度を示すことにもつながります。
 
・ゆっくり、文節で区切るように一呼吸おきながら、わかりやすい言葉を選んでください。例えば、「いいお天気ですね。」という場合、「いい/お天気/ですね。」と「/」の部分で一呼吸おいて、語りかけてください。
 
・話題を急に変えると、理解が不安定になることがあります。
失語症の場合、話すことが不自由なだけでなく、言語の理解に困難が生じることがあるのです(英語が苦手な人が英語で話しかけられている状態に似ています)。それゆえ、話」題を変えるときには、それをしっかりと示す(「おいといて」のジェスチャーが有効です)ことが必要です。
 
・一度でうまく伝わらない時は、ゆっくり繰り返し言ってみて、それでもポカンとしているようなら、別の言葉に置き換えてみる。それでもピンとこないなら、紙に漢字で単語を書いてみる(失語症の人は平仮名で書かれるとかえってわかりにくいことがあります。50音表は使えません。一方、構音障害の方には50音表は有効です)。
 
・話の内容が正しく伝わったか確認してください。
「わかりましたか?」と聞いて「はい」という答えが返ってきたとしても正しく理解できているとは限りません。行先であれば、指さしてもらったり、数字であれば、紙に書いてメモを渡したり、二重三重の念押しを心がけてください。
 
・先回りして矢継ぎ早に問いかけない。
言語障害者は話し出しが一呼吸遅れることがあります。それをせかすと言いたいことが言えなくなってしまいます。表情を見ながら相手が話し出すのをゆっくり待ってみてください。相手が話すのを諦めてしまいそうな時には、すかさず助け舟を出してください(「〇〇のことでしょうか?」などと選択肢を提供する)。
 
・「ハイ-イイエ」のいずれかで答えてもらえるように問いかける。
「だれ・なに・いつ・どこ・なぜ・どうやって」という問いかけをされると、言語障害者の人はどうしても「言葉」で答えなけ
ればならないですが、「ハイ-イイエ」で答えられるように問いかければ、「うなづき(ハイの意)-首振り(イイエの意)」で意思表示ができます。同様に選択肢が漢字単語や絵で紙に書いてあったり実物や写真があれば、それを指さしで選ぶことができます(飲食店のメニューで食べたいものを写真を指して伝えるのと同様です)。
 
・言い間違いはむやみに訂正しない。
言語障害者の中でも失語症の方には、思っている言葉と違う言葉が口をついて出てくることがあります。それは、会話の流れの
中で誤りと気づくことは容易(例えば、眼鏡を手に持ちながら「この時計」と口では言っているなど、ちょっと想像しにくいか
もしれませんね)ですが、それをその都度訂正していると話す意欲がなえてしまいます。さりげなく会話の中で聞き返して確認するようにしてください。
 
・話し言葉以外の手段も使ってみてください。
紙に要点を漢字で書く、地図帳を広げて場所を指差してもらう、カレンダーを指さしながら日付を確認する、アンケートの回答ような[〇-△-×]のスケールで痛みの度合いを指さしてもらうなどはとても有効なコミュニケーション手段です。