和音トピックス


1.報告 2022年度 フォローアップ研修会


2023年226日   於:新宿区立障害者福祉センター

参加者:22名  

 

 スタッフは会話パートナー3名とST2名で企画運営しました。当日は4名の和音STも協力しました

 

、参加者は22名でした。和音で養成された会話パートナーが10名(内6名は他でも養成講座を受講している)、他で養成された和音以外の会話パートナー(失語症向け意思疎通支援者=以下「支援者」も含め)は12名と和音の養成者を上回った参加者でした。

 

 

 プログラムはコロナ感染もだいぶ収まってきたので、久しぶりに対面で行われ、対面のよさが実感されました。

 これまでフォローアップで挙げられた会話の時の疑問点を総ざらいして、事前に資料として読んできてもらっていましたが、前半では岡島STの司会のもと、それをグループごとに話し合いました。ベテランさん、新人さん、和音の会話パートナー、他の会話パートナーや支援者が一つのグループで意見を出し合い、学び合いました。その後それを全体で共有し、知識を深めました。

後半の交流会では黒川会話パートナーの司会で、特に話題は決めずに自由に意見の交換をしました。失語症カフェをスタートした方との質疑応答があり、会話パートナーや支援者が失語症の人に係わる方法もいろいろあることを学ぶ機会になりました。

 最後の情報交換の時間には、練馬区で友の会や会話パートナーが数年かけて区に働きかけて、意思疎通支援者の派遣が区議会を通ったことが報告されました。また会話パートナーの募集に対し関心を持った支援者が応じてくれたなど、この時間が有効に使われました。

 失語症の人たちを、会話を通じて支援していくパートナーや支援者が増えて行くことは和音の長年の願いです。それが全国で展開されている失語症向けの支援者養成と派遣として実現されている現在の状況は喜ばしいことです。一方で、支援者の質やモチベーションは養成された後もフォローされなければいけないでしょう。和音の会話パートナー以外の参加者が多くなってきたことで今後の研修会は和音以外の会話パートナー(支援者も含む)を意識したプログラム作り、参加方法を考えていく必要があると思います。             (以上 野副)

意見や考えが多く出された5つの項目を紹介する

失語症の人とのより豊かな会話のための知恵袋







2.報告「第27回 失語症コミュニケーション支援講座」   

2022年11月25日

2022年10月29日    基礎1(オンデマンド配信) 18名

           11月5日午前  基礎2  11名  午後 実技  10名 

           11月19日  会話  8名  於:首都医校(新宿)

 

 和音の看板講座とも言える「失語症コミュニケーション支援講座」は、今年は基本的な知識を知る「基礎1」のみオンデマンドで動画を配信し、コミュニケーションのコツを知る「基礎2」、さらに実際的にそのコツを使ってみる「実技」、失語症のある人と会話をしてみる「会話」は、対面で新宿の会場で開催しました。

 

全18名の申し込みでした。家族や知人が7名、仕事上で失語症の人と出会うという言語聴覚士や介護士が6名、他には学生が3名、公的機関の人が1名、自身が高次脳障害を持っているという人が1名でした。

会場での対面講習に臨まれた方々は、発症からまだ1年未満の失語症の人が身内に居られるというご家族が半数でした。今後の不安もあり、切実な思いで参加されている様子が伝わってきました。他にも同じような境遇の家族がいることを知ったり、ベテランの指導チューター(言語聴覚士)によるアドバイスを受けたりして、前向きに立ち向かおうとされている様子が見受けられました。

好評のオンデマンド配信は、12月末まで、再募集をして再配信することにしました。

 



3.報告「2022年度 全国オンライン失語症カフェ」

 

 カフェは失語症の方たちの自己紹介で始まりました。話し手が大きな画面に映し出され、顔とお名前がよくわかりました。会話パートナーも簡単に自己紹介。それから、5つのグループに分かれて会話タイムを持ちました。ほとんどの方が初対面。グループによって、失語症の方たち同士でどんどん会話が進むところや、会話パートナーの方たちが試行錯誤しながら会話を続けたところといろいろでした。その後また全員が集まって各グループから簡単な報告を聞きました。

 

 全体で共有する時の文字支援としてポイント筆記したパワポをウェブカメラで写し、それをZoomの一画面に出すやり方を試みました。

 

 会の開始時、Zoomになかなか入って来られなかった方があったり、Zoom操作に時間が取られたりして、会話タイムが短くなってしまって申し訳なかったです。

 

 アンケートでは、会話の時間がもっと欲しかったという声が聞かれました。

会話パートナーからは会話のタイミング、会話時の文字支援の仕方が難しかったとの感想が沢山聞かれました。また、会話パートナーがオンライン操作の支援が出来たらもっと失語症の人が参加できるのでは、という意見もありました。オンラインという環境での配慮やテクニカルなことはまだまだ改善の余地があるようです。

 

 しかし、失語症の方たち、会話パートナーの方たちの8割から、またやりたいとの回答を頂きました。企画した私たちも励まされる思いです。

 

 またお会いできる機会を楽しみにしています。

ライブ編の様子



 

 

4.報告「STのための失語症コミュニケーションセミナー」再配信

2021年11月27日~12月17日<a

昨年度実施の下記セミナーの再配信には、定員50人のところ、多くの方からお申込みをいただき、定員を増やして70人の方に配信いたしました。

 

アンケートでは「失語症の当事者の方からのお話は、特に勉強になりました」、「退院してからご本人・ご家族が困っていることを再認識し、支援できる方が増えることで少しでもご本人やご家族が過ごしやすい環境をつくれたら良いと思いました」、「職員等への指導教育方法として参考にさせてもらいます」、「リハ専門職向けの講習会もぜひお願いします」等のご感想をいただきました。

 

 コロナ禍により対面でのセミナー開催が制限されていますが、2月のオンラインセミナー、今回の再配信では全国各地の方が受講してくださいました。今後も失語症の方への支援の輪が広がっていくとうれしいです。


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